2010年10月10日、埼京線でジャズのようにとうとつに結成されたおなら系3人組“=3=3=3”の活動メモがここに記録されてゆきます。主な活動内容はおならzine制作、ファンシーテロなど。
“=3=3=3”の読み方は「プププ」でよろしくどうぞ。
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うたは何処で憶えた?

作曲家・林光さんが一昨日、80歳で亡くなられたそうです。
林さんの手による仕事は、小学校の音楽の授業で習った歌などそれと知らぬ間に私のなかに自然と慣れ親しんだものばかりですが、意識して音楽家・林光の存在を追うようになったのはごく最近のこと。
特に去年の8月は、林光さんの作曲した「原爆小景」から、原民喜の詩、66年前の人々がどんな気持ちで日々を送っていたのか。わたしたちの生まれる前にこの土地で暮らした先人たちがどうやって悲劇を乗り越えたのか、どうやって希望をみつけてきたのか、その表現にすがるような気持ちで見たり聞いたりした。(2011年8月6日にこの時考えたことを書いてます

昨年は偶然、林さんの運指がみれるくらいの距離でピアノ演奏を聞くことができた(三軒茶屋で粟津ケンさんがつくったスペース「KEN」で第五福竜丸関連のアートイベントが連日行われていた。
その後も林さんが主催する合唱団じゃがいものコンサートに足を運びましたが、体調不良で欠席されており、実際にお会いできたのはそのときの一度きりになっていましました。本当に幸運な時間だったなあと思います。

もう十分すぎるほど、たくさんのものをいただき、楽しい気持ちになったり、勇気を奮い起こしたりしてきたり、もらった火は確実に私のなかに燃え続けています。しかしやっぱり残念で仕方ありません。
林光さんのご冥福をお祈りして、個人的に思い入れのある林光さんの手がけた楽曲を紹介したいと思います。

林光さんの音楽は、胸先三寸にナイフをつきつけられて生きるか死ぬか即決を求められているような、そんな視座から振り返るように見た、人生の美しさ、豊かさが溢れているように感じます。
そこには孤独や悲しみで身体をいっぱいにしながらも、なんとかそこに起立して笑顔で歌を歌おうとする人間の崇高さがあります。
生きるということはつまり、歌うことなのですね。



■うた 作詞:佐藤信 作曲:林光

うたは何処で憶えた? 半分眠りながら憶えた
母さんの声が夢の戸口を開ける
潜り戸の向こう 明るい景色が見えた
坊やのお守りは何処へ行った?
あの山越えて 里越えて

うたは何処で憶えた? 教科書開いて憶えた
見知らぬ場所を風が吹いて行く
黒板の地図を書き写す船乗り達
なじかわ知らねど心わびて
昔の伝えぞ そぞろ身にしむ

うたは何処で憶えた? あいつ待ちながら憶えた
街は雨に濡れてアイスクリームが溶け
咥えた匙が途方に暮れて苦い
だから だから だから もう
恋なんかしたくない したくないのさ

うたは何処で憶えた? 涙流して憶えた
悲しみではなく 催涙ガスのせいで
微笑む死者は未だ弔うなと告げた
砦の上に我らの世界
築き固めよ 勇ましく

うたは何処で憶えた? 立ったままで憶えた
うたは何処で憶えた? 走りながら憶えた
うたは何処で憶えた? 石を投げながら憶えた
うたは何処で憶えた? 闘いを知って憶えた
うたは何処で憶えた? 闘いを知って憶えた
うたは何処で憶えた? 闘いを知って憶えた


■森は生きている
小学生の時に歌いました。教科書には載っていない歌をたくさん教えてくれる先生でした。
「音楽はね、音を楽しむのよ」と教えてくれた橋本美耶子先生、元気でいらっしゃるかしら。感動して音楽の授業でいつも涙を流していました。いつかお会いしたいです。


森は生きている 風だって雲だって
小川のせせらぎだって生きている
森は生きてる 氷に閉ざされた
待雪草だって生きている

森と空をわたしは見た
生きている者たちの笑う声 話す言葉
燃えている火よ あふれる力よ
森は生きている
森は生きている



■ゴンドラの歌 詞・吉井勇  曲・中山晋平 編曲:林光
(混声合唱のための「日本抒情歌曲集」より)

いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
朱(あか)き唇 褪せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを


作詞:福田善之 / 作曲:林 光

映画音楽家の林光さんといえば「第五福竜丸」「裸の島」など新藤兼人監督や「秋津温泉」が代表作になるのかしら。映画音楽家としての林光をはじめて知ったのは私の場合この映画でした。映画自体も私のオールタイムベストです。


織田信長のうたいけり
人間わずか五十年
夢まぼろしのごとくなり
かどうだかしっちゃあいないけど
やりてえことをやりてえな
てんでかっこよく死にてえな
人間わずか五十年
てんでかっこよく死にてえな




BY cottonkyaori